飲食店が意識すべき変動費と固定費

小さなレストラン 経済の教室

どんな種類の飲食店でも、これだけは知らないとお店なんて経営できないという、必須レベルのポイントがあります。

この記事では、その中で特に「変動費と固定費の分類」と「FL比率」について焦点を当てます。

変動費・固定費とは

飲食店を経営して少しでも利益を増やしたいのなら、まずコストを2つに分類しましょう。

コスト=費用を、「変動費」と「固定費」に分けるのです。

変動費とは、売上と比例して発生する費用です。

これに対して固定費とは、売上とは関係なく発生する費用です。

 

では次の費用は変動費でしょうか?固定費でしょうか?

①店舗の家賃②機器のリース料③食材費④アルバイト代

①家賃②リース料は、お店を営業していてもしていなくても同じ額だけかかりますから固定費です。

③食材費は、提供した料理の原価ですから、変動費です。

ただし、食材費は消費する見込み量をあらかじめ購入するのが普通です。

そして使わなかった食材は廃棄します。

この点(在庫のインパクト)が難しい問題を生むのですが、これについては別記事「飲食店で1円でも利益を増やすために意識すべきこと」に詳しく書いてありますので、こちらを参照してください。

④アルバイト代は、売上には比例しないので固定費です。ただし、営業をしなければ発生しませんから、家賃などとは少し特性が異なります。

 

たとえば800円のメニューがあり、お客さんがこれを注文して調理すると食材費が300円かかるとします(水道光熱費は無視)。

この場合、1注文あたりの粗利益(あらりえき:売上から変動費である食材費を引いた金額)は800円-300円=500円となります。

この500円のことを限界利益と呼ぶこともあります。

限界利益とは、1注文あたり増える利益の額のことです。

 

なぜこのように費用(コスト)を2つに分類するのかというと、分類することにより自分のお店の利益構造が明らかになり、どこをいじれば利益がどれだけ増減するかを考察することができるからです。

 

この変動費と固定費については、ある程度意識されている店主が多いと思いますが、アタマのなかで考えているだけでは、自分のお店の利益構造が見えてきません。

アタマで考えるだけでお店の利益が最大化できるなら、たぶんあなたは天才です。

あなたが普通の人であれば、必ず表という目に見える形にする、つまり「見える化」しましょう。

「見える化」は、過去を振り返り、将来のことを計画する上で絶対必要な作業です。

おすすめはパソコンのエクセルで毎月の変動費、固定費の推移を記入していくことです。

FL比率50%を目指す

飲食店でよく使われる分析指標として、FL比率があります。

FL比率とは、Food Labor比率のことで、売上に対する食材費と人件費の割合のことです。

このFL比率を50%にすることが優良店の目安になります。

 

たとえば1ヶ月の営業状況が次の通りだったとします。

1ヶ月の売上
  1メニュー800円×1,000注文=80万円

今月の食材仕入
  合計35万円(支払額で把握)

粗利益
  80万円-30万円=50万円

 

このケースでは食材費の売上に対する比率は

仕入30万円÷売上80万円=約37%

となり、食材費の比率としてはまずまずです。

 

ここでアルバイトの人件費が月15万円だとすると、食材費との合計額は

仕入30万円+人件費15万円=45万円となります。

 

したがってFL比率は

45万円÷売上80万円=約56%

となり、良くも悪くもないそこそこの営業状態であることがわかります。

 

ただし、このFL比率には落とし穴があります。

それが先ほども触れた食材費についてです。

詳しくは別記事「飲食店で1円でも利益を増やすために意識すべきこと」に詳しく書いてありますので、こちらを参照してください。

 

なお、FL比率についてはHANJO TOWNというサイトが詳しいので、こちらを参照してください。

以上、変動費と固定費についてでした。

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