若い人でITエンジニアを目指す人が増えています。
これは人口減、有効需要減という問題を抱える日本において、今後ますますIT化による効率向上を目指すことが企業に迫られていることが背景にあります。
これからますます期待されるITエンジニアの一番の悩みについて。
自分の人生設計ができるITエンジニア
つまり、今後もITエンジニアの仕事が増え続けるのです。
さらにITエンジニアは、フリーランスになりやすく、自分の人生設計を自分で決めることができることも人気の原因でしょう。
TOKYO FMのラジオ「ジュグラーの波」でゲストのITエンジニアの方が仰っていましたが、フリーランスになると小規模事業共済という退職金代わりの制度が使えます。
この制度のいいところは、掛金が全額所得控除となることです。
つまり税金を安くしながら、老後に備えることができるのです。
またiDeCoや国民年金基金により、「じぶん年金」を作ることできます。
こちらも全額所得控除となります。
「じぶん年金」のように自分で自分の人生を決められる、というのフリーランスの醍醐味であり、喜びでもあります。
こんな流れがあるので、ITエンジニアの平均年齢は、昨年2020年は40.2歳でしたが、2030年には40.1歳とわずかだけど下がると予測されています。
しかもその2030年にはITエンジニアが16万人から最大で79万人も不足するという試算があります。
(出典:「IT 人材需給に関する調査」みずほ情報総研/経済産業省)
ITエンジニアの悩みとは
でもそんなITエンジニアの方にも悩みはあります。
その代表例が
・腰、肩が凝る
・目が疲れる
・一日中仕事をしている気がする(オンオフの切替ができない)
・休日も仕事のことが気になってしまう
これらはITエンジニアに限らず、フリーランス全般に言えることかもしれませんね。
私自身も休日に何もしないで遊んでいると、罪悪感に襲われることがあります・・。
そして、ITエンジニアから医師への相談で最も多いものが、
・疲労感が抜けない
というものです。
なお、今回のお話は「医師が教える内臓疲労回復」松尾伊津香著、中田航太郎監修)を参考にしています。
マルチタスクに向いていない人間の脳
コンピュータの普及により、人間はいろいろな仕事を同時にやるようになりました。
つまり仕事がマルチタスク化したのです。
仕事のマルチタスク化が始まったのは、わずかここ数十年のことです。
それまでは農業にしろ、工業にしろ、事務仕事にしろ、同じことを一日中やり続ける、というのが仕事の中心でした。
それが現代は、今日の仕事を始めようとするとメールやLINE、Slackなどが着信してそれに返信していると電話がかかってきたり、つけっぱなしにしているzoomの向こうから誰かが質問してきたり、それに答えていてふと思いついたことをEvernoteにメモしたりと、やることがつきません。
つまり仕事がマルチタスクなんです。
仕事というか、人間の生き方そのものがマルチタスク化しているのです。
しかも情報量も莫大に増えています。
ところが人間の脳はマルチタスクにそもそも向いていません。
本来は一日中畑仕事に集中できるように、人間の脳は作られているのです。
このためマルチタスクでものを考えようとすると、脳が疲れてしまいます。
特に職業的にITエンジニアはマルチタスクになりがちです。
だからITエンジニアはなんとなく疲れているとか、疲労感が抜けないなどで医者に相談する人が多いのです。
シングルタスクの集合体へ
そこで対処法として医者が進めているのが、仕事をシングルタスクの集合体にすることです。
たくさんの仕事を同時に進行させるのではなく、ひとつひとつ片付けてから、次の仕事に行く、これを心がけることです。
一つの仕事に集中して他にことには気を取られないようにする、ということですね。
仕事はこのようにしたほうが、結果的に効率的になるという実感が私もあります。
その意味で、双方向的なICTツールは使うときと使わないときをはっきりさせることも重要です。
ICTツールをうまくオンオフできると、仕事をシングルタスクの集合体にしやすいのです。
マインドフルネスも解決策
もう一つ、マインドフルネスも疲労感を取るには効果的です。
マインドフルネスというのは、今ここで起こっていることに集中することです。
たとえば自分の手を握ってみる。握ったときの手のひらの感触に集中する。どんな感じすか?
ての温かみを感じる、今日の肌の状態を感じる・・。
そんなことを繰り返すことによって、「感情と仲良くする」ことが大切なんです。
自分の感情を自覚できないと、知らないうちに感情を制御できなくなっていまい、それが疲れの原因ともなります。
これを「アレキシサイミア=失感情症」といいます。
アレキシサイミアから回復するためには、たとえば食べたものをただ単に「美味しい」というのではなく、いろいろ自分なりに表現してみるのも効果的です。
いわば食レポですね。
忙しい人は知らず知らずのうちに、食べ物を早く飲み込んでしまいがちです。
しかしせっかくの美味しい食事も、ただ飲み込むだけではだんだんと感情が薄っぺらくなってしまいます。
食事は味覚はもちろん、目で楽しんで、香りも楽しんで、そういう感覚をフルに使って楽しみながら、しかもそれを言葉で表現することで、自分の感情というものを見つめ直すことになる、そういうマインドフルネスが心を豊かにしてくれます。
ITエンジニアに限らず、フリーランスは時間に追われて、「自分の感情」と疎遠になりがちです。
食レポで「自分の感情」を取り戻して、なんとなく疲れた、という日常からおさらばしましょう。
コメント