200万円の大台に乗せたビットコイン。投資をするなら、その本質を知っておきましょう。
200万円の大台突破!
2020年12月14日に再び200万円の大台に乗せたビットコイン。
2017年の時は日本と中国によるビットコインブームによって起きた高値でした。
しかし、今回は日本はさほど盛り上がっていません。
今回の高値は、アメリカの資金によるものだと言われています。
たとえばアメリカの上場会社であるマイクロストラテジーは3万ビットコイン(およそ500億円)を保有しています。

ビットコインは電子的な金本位制
nanacoのようなポイント=電子マネーというのは商品券のようなものです。
日本円というお金が形を変えたものです。
単純に言ってしまえば、円そのものです。
これに対して暗号資産・仮想通貨であるビットコインは全く違います。
ビットコインの本質は、電子的な世界に金=ゴールドを作り上げる試みなんです。
以下、「現代経済学の直観的方法」長沼伸一郎を参照しています。

なぜ金はお金として使われたのか?
まず、なぜ金=ゴールドはお金として使われたんでしょうか?
最大の理由は「短期的にはその量を絶対に増やせないが、非常にゆっくりとであれば状況次第で増減させられる」ことが、金ではできたからです。
いつでも何倍にも増やせてしまっては、たちまち世界はお金だらけとなってお金の価値が下がり、インフレとなります。
逆に全く増やせないのであれば、経済の拡大にお金の量がついていかず、お金として流通しません。
金はそこそこの埋蔵量で、そこそこ採掘するのが難しいものです。
そこがいいのです。
今までに17万トン採掘され、残りの埋蔵量は7万トン前後。

だから短期では増やせないけど、長期的には増やせるわけです
これと同じことを、ビットコインでは電子的に実現しようとしました。
つまり発行量を制限して、段階的に発行していくのです。
ビットコインは2,100万BTCに制限されていて、現在までに1800万BTCが発行済だから残り300万BTCです。
でも電子的なものですから、裏で発行していてもわかりません。
金=ゴールドのような現物は埋蔵量をごまか使用はありませんが、電子的なビットコインは本当に制限されるのか確かめようもないのです。
ブロックチェーンが考え出された本当の理由
ここに登場するのが、ブロックチェーンです。
ブロックチェーンというのは、現金出納帳のような台帳です。
ビットコインを誰がいくら持っていて、それを誰にいくら渡した、その結果ビットコインは合計いくらあるのか、を記録するものです。
ブロックチェーンの特徴は、一人の人が記録するのではなく、参加者全員が同じ台帳を持っていることです。
誰でも中身を見ることがから、改ざんがしづらい。
このブロックチェーンという台帳にすべてのビットコイン取引を記録することにより、ビットコインの発行量が今、いくらなのかを完全に把握することを保証します。
完全に数量を把握しているので、それが本当に制限されて発行されているのかが、わかるとということなんです。
つまりブロックチェーンというのは、発行量を明確にだれでわかるようにすることによって、ビットコインが電子的な金=ゴールドとなるためのシステムなんです。
ビットコインに対する批判
でもこのビットコイン、経済学の学者からは批判がいろいろ出ています。
一番の批判は、価格の上下が激しすぎてモノを買うための交換手段として使われないということでしょうか。
明日ビットコインの価格が今日の2倍になるかもしれない、と思ったら、コーヒー一杯にビットコインを使うのはもったいなくてできませんよね。
でもこれだとお金、とは言えません。
その他の批判は次のようなものでしょうか。
●交換所からの流出が相次いだ
コインチェックやZaifなど。日本だけではなく韓国、シンガポールなどでも発生しています。
●闇サイトの代金やランサムウエアの身代金として使われる
PCを乗っ取って身代金を払わないと中身を公表すると脅すランサムウエア。この身代金としてビットコインが使われます。
なぜなら、ビットコインのウォレットの口座(アドレス)を作るのに、本人確認KYCが必要ないからです。
●電力が非常にかかり、エコでない
ビットコインのマイニングにかかる電力消費量は、オーストリア一国より大きく、東京都と同じぐらいだそうです。
参照:「アフター・ビットコイン」中島 真志
金本位制を電子的な世界で作ろうとしたビットコイン。
今後、どのように発展をしていくのか、はたまた衰退していくのか、個人的には楽しみです。
コメント
[…] […]