アジア経済と日本 ざくっと世界経済アジア編

人生をぐるっと変えるまるっと経済学 経済の教室

この記事は書籍「人生をぐるっと変えるまるっと経済学」アジア編のまとめです。

 

動画も用意していますのでYouTube動画でどうぞ。

 

「人生をぐるっと変える~」は小説スタイルのビジネス書です。
主人公美令が、架空のロックバンドP:ste(ピステ)の世界ツアーにアルバイトとして同行し、世界経済を目の当たりにしていくストーリーとなっています。

詳しくは本の紹介記事をご覧下さい。

日本の課題

日本の最大の課題は、生産効率を改善することです。

なぜなら、これから人口が減少する日本は効率を上げることによってしか、今までの経済規模(GDP)を維持することができないからです。

ところかキャッシュレス決済比率一つをとっても、日本は世界からはかなり立ち後れています。

キャッシュレス決裁比率とは、モノを購入したときに現金以外のクレジットカードやスマホ決済などで代金を支払う割合のことです。

このキャッシュレス決裁比率、韓国を筆頭に、中国やヨーロッパ、北欧は軒並み50%以上となっていまう。

ところが日本はいまだに18%(2015年)。

そこで日本はこのキャッシュレス決裁比率を、2025年までに40%に引き上げ、さらに近い将来80%にすることを目標としています。

 

でもなぜこんなことを目標としているのでしょう?
それほどキャッシュレス決済は重要なのでしょうか?

この理由は主に次の4つが考えられます。

1.コスト

現金を流通させるための直接のコストだけで年間約1兆円かかっています。紙幣の印刷、輸送、ATMなどの管理維持費などで1兆円もかかるのです。キャッシュレスにすればこのコストを削減できます。

2.現金管理の手間

飲食店や小売店の場合、店を閉じたあとに残高を数える作業があります。この現金管理の手間に時間がかかり、非効率を招きます。
現金の残高確認作業は、国の試算では、レジ1台あたり25分かかり、1店舗あたりでは153分もかかっています。
キャッシュレス化によりこの作業の手間が省けます。
特に日本のサービス業は世界に比べて生産効率が悪く、これを改善したいという意向が強くあります。

3.タンス預金が世の中に出てくる

日本のタンス預金は50兆円あるという試算があり、キャッシュレス化によりこれらが市場経済に出回れば、経済インパクトはかなりあります。

4.マーケティング

スマホ決済などで購入すると、その購入情報を把握することが可能です。いわゆるビッグデータであり、これをAIなどによりマーケティングに応用できます。
情報は現代の石油とも呼ばれますが、現金ばかりでモノを買っているとビッグデータが集まりません。

シンガポール編

シンガポールの特徴は、富裕層率が世界第一だとうことです。

シンガポールは日本の税制上はタックスヘイブンであり、法人税率は17%です。

このためアジア市場を目指して多くの企業がシンガポールに子会社を作っています。

またシンガポールは中国の玄関口であり、人口も手頃であるため、中国市場のテストマーケティングとして使われたり、インドネシア、マレーシアなどの東南アジアとのネットワークも強いため金融センターとしても力を付けてきました。

ミリオネア人口(資産が100万ドル以上ある人)の世界ランキングをみると

・1位:アメリカ    1,700万人
・2位:中  国     350万人
・3位:日  本     280万人
(圏外)シンガポール 90万人強

シンガポールは人数こそ少ないですが、 人口も560万人と少ないため、人口比でみると18%と世界一になります。

インドネシア編

インドネシアは2050年には世界第4位の経済大国になると予想されています(PwC予測)。

日本はこのとき7位に転落しています。

これは人口ボーナスが2030年まで続くことが大きいと考えられます。人口ボーナスとは、これから働く世代が増えてくることをいいます。

もともとインドネシアは2億6千万人以上の人口があり、そのうえこれから働く世代が増えてくるとなると、所得があがり、その結果GDPも増えてくるわけです。

人口ボーナスは、日本は1990年で終了し、中国、韓国、タイ2015年頃終了しています。

さらにリープフロッグ現象も大きいと言えます。

リープフロッグ現象とは、新興国が途中の段階を飛び越えて最先端の段階に達してしまう現象のことをいいます。

たとえば、インドネシアの固定電話の普及率は4.2%にすぎませんが、携帯電話の普及率は120%です。

固定電話という段階を飛び越えて、携帯電話という最新の段階に達してしまっているのです。これはアフリカ諸国でも見ることができる現象です。

マレーシア編

マレーシアを含むアジア7カ国は、2050年アジアの世紀を迎えると予測されます。

ここでアジアの世紀とは、世界のGDPに占めるアジアの割合が50%以上になることをいいます。

実はアジアは、300年ほど前の産業革命以前はGDPの大半を占めていました。アジア諸国は農業王国だったからです。

それがイギリスに始める産業革命により、経済の支配的地位をヨーロッパに譲ることになります。

そして2050年には、アジアは300年ぶりに再び経済の支配的地位を取り戻すのです。

このアジアの世紀の中心となるのが、日本、中国、韓国、インド、タイ、 インドネシア、そしてマレーシアの7カ国です。

日本の課題

ここで、シンガポール、インドネシア、マレーシアを見た上での日本の課題を再度、2つ上げておきます。

1.人口のいびつさ
2.生産効率の低さ

これについては「ざくっと世界経済 日本編」で取り上げる予定です。

 

以上、ザクッと世界経済アジア編でした。

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