論理的思考クイズ 遅刻魔は誰だ?

遅刻 経済の教室

AI時代を迎えてますます重要になってきている論理的思考、ロジカル・シンキング

AIに仕事を奪われないためには、読解力こそが必要(「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子)とも言われますが、この読解力とは論理的思考でもあります。

今回はそのエッセンスをお伝えします。

※この記事はTOKYO FMの経済ラジオ番組「ジュグラーの波~澤と美音のまるっと経済学~」2020年5月7日放送回の原稿を元に加筆・修正したものです。

 

遅刻魔は誰だ?

あなたは次のクイズがパッと答えられますか?

まずは問題を読んでください。

 

問い)

ここにAKB48メンバーが3人います。向井地美音(みおん)さん、柏木由紀さん、岡田奈々さんの3人です。3人に、「遅刻が一番多い遅刻魔は誰ですか」、と聞いたら次のように答えました。一番遅刻が多い遅刻魔だけが、本当のことを言っています。それは誰でしょう?

美音 遅刻魔は、由紀さんじゃないよ
由紀 遅刻魔は、奈々じゃないよ
奈々 遅刻魔は、私だよ

 

遅刻魔

 

答えが分かった方いらっしゃいますか?

このクイズをパッと答えられた方は、すでに「論理的思考」が備わっている方でしょう。もうこの後を読む必要はありません・・・。

 

ヒントをくれ!
っと思った方。

これは小学生向けの「論理的思考」を養うためのクイズです。
小学生でも解けます。

みなさんは何歳ですか?

ただ、あくまで念のため、次項に小さい文字でヒントを書いてあります。

 

小学生向けクイズが解けないなんて・・・と悔しさを感じた方は、次項のヒントを見ずに自分なりの答えを出してから「3.解答編」に進んでください。

 

ヒント

「もし、○○が遅刻魔だったら・・・」

 

 

解答編

正解は

 

柏木由紀さんが遅刻魔

 

です!

 

どうでしたか?

皆さん解けましたか?

当たった方、どのようにして解かれました?
間違ったかはどう考えたのでしょうか?

このクイズは、小学生向けの論理的思考を養うためのものです。
論理的に整理して順序立てて考えればいいわけです。

論理的思考は、ロジカル・シンキングともいいますが、これは情報を整理して自分で考えることができる能力のことをいいます。
情報化社会の現代では必須の能力です。

具体的には、次の3段階で物事を考えます。

 ①何がしたいのか、課題は何か

 ②整理し分析

 ③工夫できるところがないか、もっと効率化できないか

では冒頭のクイズをこの順番に当てはめて考えてみましょう。

 

①何がしたいのか、課題は何か

 課題は遅刻魔を当てることです。条件として一番遅刻が多い人を遅刻魔と定義していますから、遅刻魔は1人だけです。

 

②整理し分析

クイズの内容を整理するとこうなります。

・遅刻魔だけが本当のことを言っている
・あとの2人はウソを言っている
・3人の発言
  美音:由紀さんは遅刻魔じゃない
  由紀:奈々は遅刻魔じゃない  
  奈々:遅刻魔は私だ

 

③工夫できるところはないか、もっと効率化できないか

発言のうち、1人だけが本当のことを言っていて、あとはウソを言っているのですから、発言内容の矛盾を突けば答えが導かれるはずです。

  

上の図は青線が「遅刻魔じゃない」という発言赤線が「遅刻魔だ」という発言です。

奈々さんのところに青線と赤線がぶつかっています。
つまり矛盾しています。

ということは由紀さんか奈々さんか、どちらかがウソをついている(逆にいえばどちらかが本当のことを言っている)ことになります。

 

では由紀さんが本当のことを言っている、つまり遅刻魔だったら・・・

 

ちょっと先走りすぎましたが、これが工夫できるところをはないかの発想です。

本当のことをいっている人は遅刻魔一人だけなのですから、「もし、○○が遅刻魔だったら」と仮定して、発言に矛盾がないか、調べてあげればいいわけです

もし遅刻魔が由紀さんだったケースでは、
由紀さんだけが本当のことを言っていますから、美音さんと奈々さんはウソをついていることになります。

では美音さんと奈々さんの発言を逆にしてみましょう。逆にした結果、みんなの発言に矛盾がなければ(みんなが本当にことを言っていることになれば)、正解は柏木さんになります。

 
  美音:由紀さんは遅刻魔じゃない → 由紀さんは遅刻魔だ
  奈々:遅刻魔は私だ → 遅刻魔は私ではない

 

赤線が「遅刻魔だ」という発言青線が「遅刻魔じゃない」という発言、ですから・・

おお、なんと矛盾が生じません。みんな本当のことを言っているんですね!

 

つまり、正解は

柏木由紀さんが遅刻魔だ

です。

 

論理的思考は、工夫が大事なんですね。

 

Google Blocklyでプログラミング

このような論理的思考は、プログラミングをする上でも重要です。

小学校でプログラミング教育が義務化されましたから、プログラミングに興味を持っている人も多いのではないでしょうか。

でもプログラミングはなかなかとっつきづらいですよね。

 

そこでGoogleが無償で提供している子供向けのプログラミング教育「Google Blockly

を触ってみるのもいいと思います。

Google Blockly

これは「グーチョキパーでなにつくろう」(フレール・ジャック)の曲をWeb上で鳴らすための工夫を身につけるものです。

Javaスクリプト」というプログラムを使います。

子供向けに作られたものですから、いじっていればコツがつかめると思います。

 

今回は論理的思考、ロジカル・シンキングについてでした。

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